食品の裏側を知り始めた20代の頃、すでに菓子づくりの仕事をしていたので、微妙な氣持ちだった。仕事では、日常的に、さまざまな食品添加物を使っていたから。
スイーツのなめらかな食感、フンワリした膨らみ、しっとりさ等は、食品添加物によって簡単に作れる。
料理と同様、菓子づくりは科学なので、「その条件が満たされればその状態になる」のは当たり前。
本来、スポンジケーキの生地は、卵・砂糖・小麦粉というシンプルな材料で、短時間でちゃんとフンワリ作れる。
ただし、それには条件が必要で、卵に砂糖を加えた卵液をミキサーで泡立てる際、卵液が30度ほどである必要がある(湯煎)。
冷たいままの卵液では、良い状態までフンワリと立体的に泡立ってくるには、時間がかかる。
そこで、ホテルやケーキ屋で洋菓子作りの仕事をしていた時は、スポンジケーキの生地を作る際、当たり前のように「気泡剤」を使用していた。
半透明のジェル状のソレを、冷たい卵液に少し加えてミキサーを回すと、短時間で簡単にフンワリと泡立ってくる。
食品添加物などの薬品は主に、作り手の手間を省くために使われる。
早く、たくさん、安定した状態の商品を作る時、食品添加物は多く使われる。
よく考えたら、製菓用チョコレートや製菓用米粉の「製菓用」とは?と思う。
それらはつまり、菓子づくりがよりスムーズになるよう改良を重ねたり、添加物を加えられてできた商品だということ。
「ポストハーベスト農薬」という言葉を知ったのもその頃。
世に出回る安い小麦粉の多くは、小麦を育てる際だけでなく、製粉して小麦粉となった後にも農薬をまぶされている。それは、輸送の際に虫が湧かないようにするため。
農薬がたっぷりまぶしてある小麦粉で作られた小麦粉料理や菓子を頻繁に食べていれば、誰でも次第に心身は病む。
いつからか、「小麦粉を断つと健康になる」という情報が広まっているけれど、小麦粉が人体にアカンのではなく、品種改良を繰り返された薬品まみれの「小麦粉もどき」がアカンということ。
ほとんど品種改良されていない無農薬の小麦粉を使って菓子作りをしているホテルは、日本国内では皆無ではないだろうか。
個人経営のケーキ屋さんは、オーナーの想いにより、安心安全な材料しか使わないお店も探せばある。うんと少ないけれど。
苺を育てる際の、農薬散布回数を知っているだろうか。
ケーキに飾られたフルーツに塗られているツヤツヤしたジェル状のもの(ナパージュ)の成分を、知っているだろうか。
チョコレートが作られる背景を、知っているだろうか。
粉類
甘味料
乳製品
卵
油
チョコレート
ナッツ
フルーツ
添加物
など
市販のお菓子、あのホテルスィーツ、好きなケーキ屋のスィーツの裏側を知ると、ゾッとするかもね(笑)
サミー